水虫に感染すると、臭いにおいが発生するという多くの意見があります。水虫=においという症状は本当にあるのでしょうか。水虫は古来より日本に住み着いている身近な感染症です。昔より水虫は汚い病気、においが臭いと敬遠される嫌われ者ですが、水虫のにおいは、水虫菌が直接引き起こす、悪臭なのでしょうか。このサイトでは、水虫感染が悪臭を放つにおいと、どのような因果関係があるのかを話題にしています。
水虫感染者は足のにおいが強烈に臭いと思われがちです。どうしても水虫という感染症は、くさい・汚い・不潔なイメージを持たれています。確かに水虫の人と、水虫ではない人が同じ条件で長時間靴を履いた場合、水虫の人のにおいがキツく異臭を放つことがあります。この水虫のにおいは、水虫のなかでも足の指と指の間によくできる趾間型水虫の感染者に多くみられるにおいです。水虫とひとことで言っても多数の種類がありますが、水虫だからといって足のにおいが臭くさる訳ではないのです。趾間型水虫は足の指の間に発症するケースが多く、足の間という部分は、いつも湿気があり乾燥しにくい部分です。水虫に感染して皮が剥がれ落ちるような趾間型水虫は、水虫菌だけに限らず、細菌の格好の繁殖場所になるのです。水虫のにおいは、水虫菌(白癬菌)が原因ではなく、おもに蒸れた状態の足で細菌が繁殖している、いわば細菌臭なのです。
またこの足のにおいは角質増殖型水虫といって、おもに角質の厚いかかとや、足の側面に発症する水虫に感染した場合にも、臭いにおいが発生します。こちらも趾間型水虫と同じで、水虫菌そのものがにおいを発生させているのではなく、ふやけた角質や汗を好む細菌が繁殖してにおいを発生させているのです。その他にも足に汗をかきやすい人も強烈なにおいを発生させる傾向がありますので注意が必要です。
水虫に感染した足の患部がくさくなるのは水虫菌の仕業ではありません。これは体が水虫菌のような異物を感じ取ると、自己防衛機能が働き、角質層に住みついた水虫菌に対抗して免疫機能が働くためです。免疫機能が働くと、皮膚の内部からリンパ液が放出されます。リンパ液と汗は、角質を湿らせ柔らかくする作用が働きます。角質が柔らかくなると、皮膚の表面に付着していたブドウ球菌などの細菌が皮膚に侵入しやすくなるのです。細菌が、皮膚に侵入すると活性化し、脂肪酸などの腐敗性物質をつくります。実はこの脂肪酸や腐敗性物質が、においの本当の正体なのです。つまり足のにおいは、白癬菌ではなく、水虫感染した角質が原因で寄生する細菌の仕業によるにおいということになります。そして靴が蒸れると、においがいっそう増大し、靴を脱いだ時に蒸れた足から強烈なにおいが発散されるという症状が起こります。
水虫の患部を温床に、強烈なおいを放つ細菌を繁殖させないためには、足を乾燥させてやることが重要です。とはいっても水虫を完治さない限り細菌はエンドレスで繁殖を続けます。つまり、水虫を温床にする細菌が発生させる強烈なにおいを抑えるいちばんの有効薬は、水虫を完全に完治させることにあります。においの素は角質層で増殖した細菌類とリンパ液や指間の汗が原因ですから、これらをきれいに取り除けば強烈なにおいはある程度改善することができます。そのためには、まめに足を洗い乾燥させる、水虫の患部を常に清潔にしておくことが重要です。あたりまえのようなアドバイスですが、入浴時には、で足の指を丁寧に石けんで洗うだけでも、細菌の付着をかなり阻むことができます。石けんを使用して丁寧に水虫の患部を洗うことで、リンパ液や指間の汗も洗い流すと、においも薄らぎます。また水虫薬の中には細菌の増殖を抑える作用を持っているのものがあります。こうした水虫薬を湿布することで、においの防止の効果も現れます。また足を洗う際の注意事項として、軽石でごしごし削ることは、角質を不必要に痛めるのでさけましょう。
前述したように足の裏は、汗をかきやすく、保温・保湿効果も相乗して細菌の繁殖しやすい場所という説明をしました。水虫と足のにおいの関係がわかったところで、水虫、細菌、においを防ぐための予防策をまとめておきましょう。
水虫、におい、細菌の予防対策は、清潔・乾燥を心がけることが一番です
・靴下は通気性・吸湿性のよい素材のものを選ぶ
・毎日、同じ靴を履き続けない(湿気を取り除くためにも交換する)
・ストッキングの使用はなるべく避ける(特に高温多湿な夏場)
・バスマットはよく乾かす(二次感染しないためにも共用は避ける)
・入浴時には、指の間をよく洗いよく乾かす
・素足で靴を履かない
・指の間の蒸れを防ぐため、意識的に指を広げる運動を実施
・床掃除をする(水虫菌が家族内で感染することを防止)
とにかく生活全体を見直し、水虫の原因となる白癬菌の好む環境を作らない、
そしていつも足をさらさらとした乾燥状態に保つことが大原則です。
今回は、水虫とにおいについての関係をお話しさせていただきました。
水虫のにおいは、水虫が直接の原因ではなくても、水虫が細菌の増殖を手助けしていることには変りさりませんので、予防と治療は同時進行して、完全に水虫を撃退しましょう。
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